金価格が下がっています。
「せっかく持っていたのに売るべきだったのか」
「今から買っても遅くないのか」
そう感じている方のために、下落の原因と今後の見通しをデータとともに解説します。
- 2026年4月に金価格が下落している3つの原因
- 金をすでに持っている人が今すべきこと
- これから始める人にとって今が買い時かどうか
- 大手金融機関の2026年末価格予測
現在の金価格(2026年4月30日時点)
- NY金先物:1オンスあたり4,561.5ドル(2026年4月29日終値)
- 国内金買取相場:1グラムあたり約25,671円(2026年4月30日時点)
2026年1月には一時5,600ドル台まで急騰していたため、そこから数えると約18%の下落です。
なぜ金価格が下がっているのか:3つの原因
原因① ホルムズ海峡封鎖によるインフレ懸念
2026年2月、米国・イスラエルによるイラン攻撃をきっかけにホルムズ海峡が封鎖されました。この海峡は世界の石油供給の約20%が通過する要所で、IEA(国際エネルギー機関)は「記録上最大の供給ショック」と表現しています。
エネルギー価格の急騰 → インフレ圧力の高まり → 中央銀行が金利を高く維持する観測、という流れが金の売り材料になっています。
原因② 金利上昇観測が金の魅力を下げる
金は利息を生まない資産です。金利が高い局面では、国債や預金など利回りのある資産が相対的に有利になるため、金から資金が流出しやすくなります。米国・EU・英国・カナダの各中央銀行が相次いで政策金利を発表する局面が続いています。
なお、2026年4月30日のFOMCで米連邦準備制度は政策金利の据え置きを決定しました。ただし声明ではインフレ率の高止まりが指摘されており、早期利下げへの期待は後退しています。金利を生まない金にとっては引き続き重しとなる局面です。
原因③ 米国・イラン交渉の停滞
トランプ大統領がイランの和平提案を拒否。ホルムズ海峡の早期解決への期待が後退し、エネルギー供給混乱の長期化が意識されています。不確実性の高まりが、いったん金を売って様子を見る動きを誘発しています。
ポイント:有事なのになぜ金が下がるのか? 「有事の金買い」は定説ですが、インフレ→金利上昇が見込まれる局面では、利息を生まない金は売られやすくなります。2020年のコロナショック時にも同様の動きがありました。
金をすでに持っている人へ:売るべきか?
結論から言います。長期保有目的であれば、今売る必要はないと考えられます。
理由は大手金融機関の予測にあります。
| 機関 | 2026年末の予測価格 | 現在比 |
|---|---|---|
| ゴールドマンサックス | 5,400ドル | 約+18% |
| JPモルガン | 6,300ドル | 約+37% |
| SBI証券 | 5,000ドル | 約+10% |
今回の下落は、急騰後の調整局面と見る専門家が多く、中長期的な上昇トレンドそのものは変わっていないという見方が主流です。
ただし、以下に当てはまる場合は個別に判断が必要です。
- 高値(5,000ドル超)で購入しており、損切りラインに近い
- 短期資金で購入しており、近く現金化が必要
- ポートフォリオ全体の金比率が高すぎる
投資判断はご自身の状況と資産全体のバランスで判断してください。
これから金投資を始める人へ:今は買い時か?
「高値から下がったなら今が買い時では?」と感じる方も多いでしょう。一概には言えませんが、考え方の整理をします。
今の水準を支える構造的な要因
- 中央銀行の買い増し継続:中国・インド・トルコなどの中央銀行が金保有を積極的に増やしています。これは短期的な売買ではなく長期的な保有であるため、価格の下支えになります。
- 脱ドル化の流れ:トランプ関税以降、各国が米ドル依存を減らす動きが強まっており、代替資産として金への需要が続いています。
- インフレヘッジ需要:ホルムズ海峡封鎖によるエネルギー高騰が続く限り、インフレヘッジとしての金の需要は根強いと見られます。
初心者が金投資を始めるなら
一度に大きな金額を投入するより、少額から積立形式で始めるのが基本です。
- 純金積立:月1,000円〜。価格変動のリスクを時間分散で軽減できる
- 金ETF(新NISA対応):証券口座があればすぐ始められる。現物保管コストが不要
- 金現物(地金・コイン):実物を手元に置く安心感がある。ただし保管コストが発生
2026年の金価格の流れまとめ
| 時期 | 出来事 | 動き |
|---|---|---|
| 2025年通年 | トランプ関税・地政学リスク | 年間+64.4%(1979年以来最大) |
| 2026年1月29日 | イラン情勢緊迫化 | 一時5,600ドル台まで急騰 |
| 2026年2月〜 | イラン攻撃・ホルムズ封鎖 | 急落に転じる |
| 2026年3〜4月 | 交渉停滞・金利懸念 | 調整継続、4,560ドル付近 |
まとめ:金価格下落の本質
今回の下落は「インフレ懸念 → 金利高止まり観測 → 利息を生まない金が売られる」という構造的な動きです。
- すでに持っている人:長期目線なら焦って売る必要はない。ただし自分の損切りラインと資金計画を確認する
- これから始める人:一括より積立。純金積立や金ETFから少額でスタートするのが現実的
純金積立と金ETFの違いや選び方についてはこちらで詳しく解説しています。
→ 純金積立と金ETF、どちらが初心者向けか?違いと選び方を解説
ホルムズ海峡情勢の進展と、今後の中央銀行の政策スタンスの変化が、相場を左右する最大の注目点です。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。
